土用の話

 土用とは、季節の変わり目を迎える前十八日間をいいます。季節の変わり目は二十四節気で立春、立夏、立秋、立冬をさしますから、暦の上で土用は年4回あるのです。
 しかし今では、土用といえば夏の季語であり、夏真っ盛りを表す代名詞。私たちの暮らしの中にも、盛夏やそれぞれの季節を過ごす先人の知恵や習慣が残っています。
 
鰻と土用丑の日

 夏の土用に入り、最初の丑の日が土用の丑の日です。この日に鰻の蒲焼きを食べるようになったのは江戸中期からで、一説には平賀源内がその発案者と言われています。

 ある鰻屋の主人が源内を訪れ、なにか商売繁盛の名案はないかと相談しました。すると源内は、「本日土用丑の日」と書いて表に張っておくようアドバイス。鰻屋が指示どうりにすると千客万来だった、という話です。
 栄養価の高い鰻が夏バテ防止になるだけでなく、江戸っ子の好みにマッチして、たちまち江戸を代表する名物料理になったというエピソードです。
 
 ちなみに「蒲焼き」という名の由来は、現在のように鰻を割かずにぶつ切りにしていた昔、焼いた形がガマの穂に似ていたから、焼き色が樺(かば)色だったからとも伝わっています。
 関西で鰻飯を「まむし」と呼ぶのは鰻のうまみを保つために熱いご飯の中に蒲焼きをいれ、「間蒸し」にするからです。
 
土用干しで衣類長持ち
 梅雨が上がり天候が安定した頃、箪笥にしまっていた衣類を虫干しする習慣を「土用干し」と言います。かつては何処の家でも風通しのよい座敷や縁側に網を張り、普段あまり袖を通さない着物などを干していました。保管設備が整った今では、あまりお目にかかれなくなった懐かしい光景です。
 土用干しのメリットは、一つにカビやダニ防止に効果があること、二つに着物のほころびや変色のチェックができ、早めに修繕などの手が打てることです。土用干しをしないと絹は「腐る」と言われ、もろくなって染め直しも利かなくなるとか。直射日光を避け、風を通しながら大切な衣類の点検をする。
 季節の変わり目に行われてきたこうした行事は、暮らしの中ではぐくまれた生活の知恵であり、人々の暮らしに豊かな味わいと彩りを添えていました。
「鰻蒲焼き120年」四代にわたり、味、人情、技を受け継いでおります。串打ち三年、裂き八年、焼き一生。備長炭、炭火焼き。地酒、黒龍、醸し人九平次、醴泉、各種焼酎、ビールも。東北岩手県奥州市水沢 - 岩手奥州水沢 - 竹の家
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